4.加熱とは

加熱とは

熱エネルギーは温度の高い方から低い方へ移動します。
熱の伝わり方(移動)には、伝導、対流、放射の三つの原理があります。
実際の状況ではこの三つの原理が組み合わされた形で熱の伝達が行われます。

【 伝導伝熱(熱伝導)】

金属棒の先端を加熱すると次第に熱が伝わり他端まで熱くなります。
このように熱が物質を伝わっていくことを伝導伝熱(熱伝導)といいます。

物質により熱伝導率は異なります。金属類は熱の良導体です。
気体は、一般に、低熱伝導体です。
したがって、多孔質の物質は、緻密質の物質より熱伝導が低くなり、それを利用して、保温材として利用されます。

伝導伝熱(熱伝導)は、物体の移動なく物質内でその温度勾配に比例した熱流束(単位時間に単位面積を横切るエネルギー量)を生じる現象であり、フーリエの法則として下記の式で表されます。

q=熱流束 W/m2
k=熱伝導率 W/mK
T=温度 K
X=位置 m

q-k x dT/dX

【 対流伝熱(熱伝達)】

水や空気(液体や気体)は、下から加熱されると温まった部分が膨張して密度が低くなり上昇し、冷たい上の部分が下降します。この作用が繰り返し行われ、全体が温度上昇します。
このように液体や気体が移動することで、熱を伝える方法を対流といいます。

対流伝熱(熱伝達)は、温度差に比例した熱移動を表すものであり、物質の流れや凝縮や蒸発、濃度の変化など他の物理現象を伴った熱流束を表します。

dq=単位時間に単位面積を横切って移動した熱量 (W/m2)
h =熱伝達率
Tf=流体の温度
Ts=は固体表面の温度

dqh(Tf − Ts)

【 放射伝熱(熱放射)】

太陽熱(電磁波)が直接地上に到達し地球を温めているように、中間に媒体を必要としない熱の伝わり方を放射伝熱(熱放射)といいます。

このとき熱は電磁波の形で直接物質に吸収され、物質の温度を上昇させます。
(物質を形成する原子相互の振動を活発にさせる)遠赤外線の伝熱がまさに放射伝熱(熱放射)です。

中間媒体に気体が存在する場合、それが窒素(N2)や酸素(O2)の場合は、遠赤外線は吸収されませんが、炭酸ガス(CO2)や水蒸気(H2O)のような極性を持った気体には吸収されます。

熱放射はプランクの法則に従って固体表面から電磁波として放出されるエネルギーで、そのエネルギーの交換はキルヒホッフの法則などに従います。
温度に関わる主なものとして黒体の放射エネルギーが物体の温度の4乗に比例するというステファン・ボルツマンの法則があります。

【遠赤外線の科学 目次】
  1. 赤外線の発見
  2. 赤外線とは
  3. 赤外線の種類
  4. 加熱とは
  5. 放射に関する四つの基本法則
  6. 遠赤外線の吸収率
  7. 遠赤外線の生成
  8. 遠赤外線と近赤外線の比較
  9. 遠赤外線使用上の注意 (Q&A)
  10. 主要材料の比重・比熱・熱伝導率

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