ハロゲンランプの封止について

ハロゲンランプの知識

石英ガラスの「超低熱膨張係数」という特徴は、封止が困難という欠点を伴います。つまりハロゲンランプでは封入ガスが漏れないように高度な気密構造にする必要があり、また同時にフィラメントに通電するためには金属で外部から石英バルブの中に電気の通路を作る必要があります。この金属と石英バルブの隙間からガスが漏れないようにするのが困難なのです。通常の埋め込みでは熱膨張率が合っていないとガス漏れが起こります。

一般電球では使用するガラスと電流導入金属の熱膨張係数を一致させて埋め込むだけで、比較的簡単に気密が保てます。しかしハロゲンランプでは膨張係数がかけ離れているので単純な埋め込みでは気密を保つのは無理です。そのため、ハロゲンランプでは高融点金属(モリブデン)を極めて薄い箔(25~30μm)にし、それを石英ガラス管の中に入れて、石英管を外部から加熱軟化(約2000℃)させた上でプレス圧着するという方法で気密を保っています。(ピンチシール)

これは石英ガラスと金属では熱膨張係数を合わせる事ができない為に、金属の方を薄くすることで柔軟性をもたせ、無理やり石英ガラスの熱膨張に合わせているものです。そのため、石英ガラスにはかなりのストレス(圧縮歪)が加わります。これはモリブデン箔が厚いほど強くなり、強すぎると石英ガラスが割れたり、剥離してガス漏れを起こしたりしますので、薄い方が安全です。しかし薄いと電流容量が減りますので、おのずと適正なモリブデン箔厚さが決まってきます。それが前記した25~30μmということです。

大電流のランプでは上記のモリブデン箔を使った封止(箔シール)以外の方法が採用される事もあります。この方法は熱膨張が少しづつ異なるガラスを多数段階的につなぎ合わせて(段継ぎ)熱膨張係数の差を克服しようとするものです。数十A以上のランプではこの方法が採用される場合がありますが、コストが高いのでハロゲンランプに適用される事はほとんどありません。 

封止用モリブデン箔は気密性を確保するために、その断面形状はエッチングによりナイフエッジになっています。この箔にタングステンやモリブデンの棒を溶接して電流導入棒としています。この溶接は高融点金属同士の溶接となり、困難です。溶接できたとしても脆化の問題があります。モリブデン棒とは同材質なので、直接溶接される場合もありますが、コストの制約が無ければ中間に白金(Pt)を挟んだ溶接の方がトラブルが少ないです。この白金はピンチシールの時の熱で再溶融し、溶接部付近に広がり溶接部の電気抵抗を安定化させ、更には高温による酸化を抑止します。ただし価格が高いので中間的な対応として白金クラッドモリブデン箔(幅1~2mm)を挟んで溶接する場合もあります。

この溶接には「重ね抵抗溶接」という方法で溶接されます。溶接機としてはコンデンサー式やインバータ式等があり、そのまま溶接することも可能ですが、溶接部の酸化防止策として窒素をふきつけながら溶接したり、アルコールをつけて溶接したりする場合があります。アルコールは溶接時の熱で分解して水素が発生し、これが還元作用を持つので溶接部の酸化を防いで溶接できます。

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