石英ガラス加工後の歪み除去

ハロゲンランプの知識

前記のような石英ガラスの加工を行うと、必ずと言っていいほど石英ガラスには歪が残ります。歪とは石英内部の分子間に圧縮力や引っ張り力が残留した状態です。歪は偏光を利用した「歪み計」で視覚的に確認できます。

この残留歪は石英ガラスの強度を低下させるので、ランプの点灯中の内圧に耐えられずに破裂したり、クラックの発生を招いて封入ガスの漏出によるランプの初期不良も招きます。またランプ交換作業の時に、たいした力も加えていないのに割れてしまうといったことも起こります。

残留歪をできるだけ生じさせないためには、前記したような石英加工直後に加工部を含む広範囲に炎をかけて再加熱してやり、その後できるだけ急冷しないようにすることで、かなり残留歪を少なくできます。この作業にはプレス加工などで生じてしまった小さなクラックを焼き丸めて無害化するというメリットもあります。尚、プレス加工はできるだけ短時間で行う必要があります。長時間プレスすると急激に石英の温度が下がり、クラックや強い歪を残します。

完全に残留歪を除去するには、そのガラスの徐冷点(石英は約1200℃)以上の温度にしてやり、十分な時間(徐冷点では15分間)をかけて歪を除去します。そして冷却する場合には歪点(石英は約1100℃)まではできるだけゆっくり時間をかけて温度を低下させます。

特別な歪除去の炉を備えなくても、このような点を注意して作業すれば実害のない程度には歪を除けます。しかし歪計で確認できないほど完全に除去するのは困難です。完全な除去には歪除去用の炉が必要であろうと思います。

石英ガラスは大きな歪は残りにくいので、この残留歪を軽視しがちですが、注意しないと品質の低下、トラブルの発生を招く原因になります。

石英ガラス以外のガラスでは、この残留歪を無視して加工すると必ずクラック(割れ)が発生するので、十分な歪除去工程は必須です。そのため、かえって石英よりも油断による問題発生は少ないでしょう。

ガラスは引っ張り力に弱いので、残留歪の内でも特に「引っ張り歪」が問題になります。余談になりますが、自動車の窓ガラスなどに採用されている強化ガラスというものはガラス表面に強い圧縮歪を意識的に残したものです。このガラスに曲げの力が加わった場合、片側表面は圧宿力、反対側は引っ張り力を受けます。しかし強化ガラスは予め表面に圧縮歪が残してあるために、引っ張り力はこれを解消する方向に働き、引っ張り力がキャンセルされます。

ガラスは圧縮力には非常に強いので、これにより非常に強いガラスとなっています。このガラスは前記した通り表面に強い残留歪を残しているために、もし1ヶ所でも割れると力のバランスが崩れ、一気に全体が粉々に割れてしまいます。しかし割れた破片は角が丸いので、怪我はしにくいものです。

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