反射の種類について

反射の種類は大きく分けると二つあります。

鏡面反射(正反射)

鏡面反射(正反射)とは、光源から入射した光の入射角と反射角が等しい「反射の法則」が成り立つ反射を指します。
光沢の金属の場合、入射した光をほぼ反射します。これは金属の表面に光が入射すると自由電子が加速し、自由電子の運動が激しくなり電流が起こり、磁界が生じます。この振動する磁界によって新しい電磁波が発生します。この新しく作られた電磁波の振動数は入射した電磁波と等しいのです。実際には反射ではなく反射しているように見えるとも言えます。
自由電子の運動が金属の反射に大きく影響しており、電気抵抗率が低い金属が光の反射率が高い傾向があります。

反射の種類について

上記の表から、電気抵抗率の低い銀、銅、金、アルミニウムは1μmの近赤外線の反射率が高く、電気抵抗率が高くなるにつれて反射率も低くなる傾向があります。
この1μmの近赤外線の反射率が高い金属の中でも、銀は空気中の硫化水素と化学反応して変色したり、銅は加熱すると空気中の酸素と化学反応して(酸化)して変色する金属ですので、ヒーターの集光鏡としての使用は問題があります。消去法で、変色や酸化しにくい金とアルミニウムが適しています。

反射の種類について

ハロゲンヒーターを最大出力で使用した時の最大波長のは約1μmです。この時、アルミニウムと金を比較すると約10%の差があり、金の方が反射率が高いです。例えば、0.5μmの可視光線や紫外線領域の波長で比較すると反射率はアルミニウムの方が高いです。どの波長の光を反射させるかによって素材が変わります。加熱に観点を置くと、可視光線と赤外線の波長が加熱に寄与するので金が集光鏡として効率が良いです。

拡散反射

金属以外の反射では、物体から放射される光は鏡面反射と異なり、角度は限定されずに全ての方向に均等に放射されます。
可視光領域で白い紙が白く見えるのはこの拡散反射によるもので、全ての光(電磁波)を反射している為です。言い換えれば白色の物体は吸収する光に偏りがないということです。ある特定の光を吸収する物体で、赤を吸収する物体は青と緑の光を反射するので緑っぽい青色のシアンになります。
また、ティッシュペーパーなどの白い紙は、微小の繊維と繊維を編み込んだ素材です。その網の凹凸が光を様々な方向に反射、屈折する為、光沢金属の鏡面反射とは異なり、高い反射率にも関わらず白い紙には光沢はありません。金属と金属以外の反射率は単純に数値だけでは比較はできず、光が反射する方向にも着目する必要があります。

誘電体多層膜反射鏡

誘電体多層膜鏡は特定の波長を反射する反射鏡です。反射率は金属よりも高いです。研磨された石英ガラス等の基板に低屈折率と高屈折率の薄膜を、それぞれを設計波長の1/4と光路長(屈折率n×膜厚d)が同じになるように調整し交互に多重積層します。これにより表面反射と各層の反射が同位相になり、設計波長周辺に絞った反射することができます。

反射の種類について

設計波長=1μmとする場合、材料を1/4の光路長(屈折率n×膜厚d)に合わせると1μmの近赤外線に波長に合わせた反射率が100%に近い反射鏡を作ることができます。

(例)高屈折材料:酸化チタン(TiO2) n=2.4 d=0.10416 n×d=0.25
(例)低屈折材料:二酸化ケイ素(SiO2) n=1.47 d=0.17123 n×d=0.25

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