4-1.用語解説

用語解説

制御

英語のcontrolの訳です。controlの語源はラテン語のcontrarotulareで、contraは「対して」、rotulareは「巻物」という意味です。これらを組み合わせると、controlは、「巻物に記載された権威(基準)に照らして、差異があれば修正する」ということからきています。
JIS用語では、制御とは、「ある目的に適合するように、対象になっているものに所要の操作を加えること」と定義されています。「

良い制御

良い制御とは変動の少ない暴れない制御です。
1. 過渡状態が少ない=速応性が良い、オーバーシュート~ハンチングが少ない
2. 定常状態へ速く移行する=安定性が良い
3. 定常偏差(Offset)が無い
3つの特徴が有ります。

フィードバック(Feedback=帰還)制御

操作した効果を測定して次はどうすべきか?と考えて制御する方法

プログラム制御

プログラムに定められた時間ごとに設定値を変化させる制御

PID制御

現在値(PV)と設定値(SP)の偏差に比例した出力を出す比例動作(Proportional Action:P動作)と、
その偏差の積分に比例する出力を出す積分動作(Integral Action:I動作)と、
偏差の微分に比例した出力を出す微分動作(Derivative Action:D動作)の和を出力する制御方法

制御周期

あらかじめ設定した時間周期にしたがい、一定時間ONし、残り時間はOFFを繰り返す方法で行います。このあらかじめ設定された時間周期を制御周期といいます。10~0.5秒くらいまで自由に設定できるものが多いようです。

時分割比例動作

制御周期にしたがい、一定時間ONし、残り時間はOFFを繰り返す方法
SSRで制御します

動作隙間

①ON-0FF動作の隙間のこと。
ヒーターを一時的にオフした後再度オンするまでの間
ヒステリシス(Hysteresis)ともいわれます

②設定した温度でOFFした温度と、再度温度が下がってONする温度の差
ディファレンシャル(differential)ともいわれます

むだ時間(dead time)

加熱操作がある時間だけ遅れて伝わること
むだ時間は、操作を加える点と検出点がある程度離れているような場合に現れます。
むだ時間が大きいほど、制御結果はハンチングやオーバ-シュートを起こしやすく、温度制御では出来る限りむだ時間を小さくする必要があります。

速応性(Responsibility)

制御スタートしたとき、もしくは目標値を変えたとき、いかに素早く応答するか、

立上り

初期状態で、室温から設定温度に加熱されること

オーバーシュート(Overshoot)

温度が設定値を行過ぎること

外乱(disturbance)

安定的な状態にあるものを乱そうとする外からの働き

サイクリング(Cycling)

設定値付近で小幅な変動を続けること。
温度の変動は、一般的に好まれません。電力や燃料の浪費ですし、時間の無駄でもあります。
また、加熱対象物が一時的に設定よりも高温になってしまうことで加熱対象物が駄目になることもあります。
然し、許容範囲の内で有れば小幅のサイクリングは正常状態です。

ハンチング

サイクリングでも許容範囲を超え大きく変動を続け制御上好ましくないもの

定常状態(Well-balanced state)

オーバーシュート→ハンチングの状態(過渡状態)がおさまって安定した状態

安定性(Stability)

過渡状態から定常状態に移行して、安定状態に入ること

オフセット(Offset)定常偏差

操作量が小さくなりすぎて制御される側が反応せず残ったままになった偏差。
①設定値に対して安定してずれること。
②比例動作では制御対象の熱容量、ヒータ容量により安定状態に達しても、一定の誤差を生じます。この誤差値のこと。
この状態が修正されたとき「オフセットが埋まる(設定値に達する)」と云われます。

熱容量

加熱対象物が必要とする熱的な大きさ

ヒーター容量

ヒーターの加熱する力

SP:設定値の略称

PV:現在値の略称

e:偏差、目標値SVと現在値PVの差

P:比例幅、又は比例制御

I:積分時間、又は積分制御

D:微分時間、又は、微分動作

AT:オートチューニングの略称

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