4-11.加熱冷却制御

加熱冷却制御

■加熱冷却制御とは

例えば、電子機器の性能評価試験をする場合には、ヒーターと冷却機構を同時に制御する必要が生じます。

加熱冷却制御は、1台の調節器で加熱出力と冷却出力の2系統の出力を操作し制御する方式を言います。

一般的な加熱冷却制御動作が選択できる温度調節器では、加熱側は「逆動作」、冷却側は「正動作」で動作します。

逆動作:温度測定値が増加した場合に調節器の出力が減少する制御動作を言います。
(温度が上昇→加熱出力が減少)
正動作:温度測定値が増加した場合に調節器の出力も増加する制御動作を言います。
(温度が上昇→冷却出力が増加)

■加熱冷却制御のPID設定

加熱冷却制御が必要な装置は、加熱制御系(ヒータ~温度センサ)と冷却制御系(冷却機構~温度センサ)という2つの制御系を持ち、ほとんどの場合は、加熱系と冷却系の応答特性は異なります。

このため、調節器も加熱系と冷却系のそれぞれに対してPID定数が設定出来るように作られています。

■加熱冷却PID定数の設定方式

加熱冷却制御におけるPID定数の設定方式は2種類あり、どちらの方式かは調節器の機種やグレード、また調節器メーカにより異なっています。
①比例帯のみ加熱と冷却で異なる設定が可能なタイプ
比例帯設定のみ加熱系および冷却系に対して「加熱比例帯」「冷却比例帯」と個別に設定が可能で、「積分時間設定」と「微分時間設定」は加熱と冷却で共通の設定値を用います。
従って、加熱冷却PID調節器としては、「加熱比例帯」「冷却比例帯」「積分時間」「微分時間」の4つのPIDパラメータで制御演算が行われます。
このPID定数設定方式の場合、設定項目の増加が1つのみであるため調整自体はそれほど困難にはなりませんが、反面、緻密な調整という観点では制約されることになります。

②加熱制御系と冷却制御系でそれぞれ独立したPID定数設定が可能なタイプ
加熱と冷却各々に対して独立したPID定数が設定できるため、より緻密な定数あわせ込みが可能になりますが、その分PID定数設定の最適化が難しくなります。

■加熱冷却動作の特徴

①設定温度に対して、温度測定値が低い領域では加熱側、高い領域では冷却側の出力値が出力されます。
②加熱出力と冷却出力の切り替わりポイントで不感帯(デッドバンド)を設けることができます。
③加熱出力と冷却出力をオーバーラップさせて出力することもできます。

■加熱冷却動作の用途

液晶パネル:加熱/ガス・冷却/ガス
印刷械のローラー:加熱/電気ヒーター・冷却/水
有機合成:加熱/電気ヒーター・冷却/水
連続再加熱炉:加熱/ガス・冷却/水
卵白タンパクと多糖類の新規複合ゲルの形成:加熱/電気ヒーター・冷却/水
インジェクションマシン:加熱/電気ヒーター・冷却/水
食品加工機械:加熱/電気ヒーター・冷却/水
活魚蓄養水槽設備の水温管理:加熱/電気ヒーター・冷却/水
日本酒の「もろみ」製造工程:加熱/電気ヒーター・冷却/水
プラスチック成形プレス装置:加熱/電気ヒーター・冷却/水
豆乳:加熱/蒸気・冷却/水
金属プレスの円筒深絞:加熱/電気ヒーター・冷却/油
その他:化学・医薬・ゴム・繊維業界での、反応・重合・晶析・溶解・成形・凝縮工程。

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