ハロゲンガスについて

ハロゲンランプの知識

ハロゲンガスに関しては、黒化(蒸発したタングステンをハロゲンサイクルでもどしきれずにガラスバルブが黒くなる現象)を起こさない最小限の量を入れるのが基本です。一見矛盾のようですが、ハロゲンサイクルはハロゲンランプにとっては必要悪であり、できるだけハロゲン濃度を下げてハロゲンサイクルを穏やかにする方が寿命が長くなり、安定します。最低限必要とされるハロゲンの濃度はランプの種類によって異なりますが不活性ガスに対するモル比で0.1%程度です。

ハロゲンサイクルを穏やかにするという意味ではハロゲンの種類の選択も重要です。ハロゲン元素はフッ素→塩素→臭素→ヨウ素の4種類があり、後になるほど化学的活性が穏やかです。その点でヨウ素は優れているのですが、常温で固体のヨウ素はランプ内に封入する製造方法に難があります。ヨウ素の封入方法は不活性ガスに混合して入れる場合にはヨウ化水素の形で不活性ガスに混入するのが一般的です。

しかしこれは腐食性、毒性の問題で扱いが難しいものですし、ヨウ素の場合、水素の存在がハロゲンサイクルを抑制しすぎる場合があります。液体や固体のヨウ素化合物をランプ内に直接投入して封じる方が一般的であろうと思います。

しかしヨウ素は性質があまりにも穏やかなので、蒸発の激しいハロゲンランプ(自動車用などの高効率,高色温度で短寿命設計のランプ)ではハロゲンサイクルが追いつかない場合もあり、こうなるとガラスバルブが黒化します。つまりヨウ素は長寿命設計のランプには適するのですが、短寿命設計の高効率ランプには不向きです。

上記の様な理由で現在のハロゲンランプの多くはハロゲンとして臭素を採用しています。臭素は臭化メチレンなどの形で不活性ガスに混合しておけば安定であり、製造技術的に扱いやすい物です。臭化メチレンであれば臭素と同モル数の水素が同時に入りますが、これは臭素系ハロゲンランプにとって好都合な事です。

なぜなら水素が同モル数程度存在するとハロゲンランプ内では臭素は主に臭化水素(HBr)の形で存在し、これは臭素単体に比べ比較的安定な物質です。

この臭化水素(HBr)がフィラメント近くの高温で熱分離し、生じた単体の臭素だけがハロゲンサイクルを起こします。分離した臭素も低温部では水素と再び化合し、安定な臭化水素になります。これの利点はハロゲンサイクルによりフィラメント端部などの比較的低温部がハロゲンサイクルで削られ、寿命が短縮するという悪い副作用を抑制することです。

また臭化メチレンの封入は同時に臭素のモル数の1/2の炭素をランプ内に入れることになります。この炭素はランプ内に残った残留酸素に対するゲッターとして働く、と説明されている場合が多いですが、現実にはゲッター作用はあまり期待できません。炭素の存在はフィラメント低温部を脆化させて衝撃による断線などのトラブルを起こす原因になる事もありますが、それでも比較的害は少ない物質なので許容されています。

臭素は臭化メチレンなど炭素との化合物(有機化合物)という形以外では腐食性,安定性,毒性の面で扱いにくい物質が多いので、敬遠されます。ただし扱いにくい物質ではありますがホウ素との化合物(BBr3)などが採用された例はあります。ホウ素,珪素,アルミなどはランプ内への残留酸素に対する強力なゲッター(吸収剤)としての効果が認められます。残留酸素は後記するようにウォーターサイクルに関与し、多量に存在するとランプ寿命を著しく縮めます。

長寿命設計の臭素系ハロゲンランプではハロゲンサイクルを更に抑制する目的で水素のモル比を2~3倍まで増やす事があります。この場合臭化エチレンなどが採用されます。しかし石英は高温では特に水素の拡散透過が増えるので、水素を長時間閉じ込めておく為にはバルブ温度を低めに設定する必要があります。

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