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樹脂加熱の基礎知識-3 樹脂の種類-11 塗料

1.塗料とは

塗料とは、対象物を保護・美装、または、独自な機能を付与するために、その表面に塗り付ける材料のことです。

日本には古くから漆塗りに代表される塗料の歴史はありますが、洋式塗料の歴史は明治初頭に始まります。

2.塗装の目的と法規制

塗装とは、物体の保護・美観・表示などのために、塗料によって物体の表面を被覆することを言います。 また、塗装を行なう目的としては、次の 5つが考えられます。

2-1.物体の保護

鋼板のままでは空気中の水分や酸素と反応して錆が発生します。 塗装することにより、錆の発生が防止できます。
木板のままでは空気中の水分が浸透しカビやコケが発生します。 塗装することにより、それらの発生が防止できます。

2-2.物体の美観向上

同一形状、同一性能を持った製品を比べたとき、美しく塗装されている方が良く見え、商品としての価値が向上します。
メタリック塗装・パール塗装も多く用いられます。

2-3.デザイン価値の向上

ツートンカラー・ライン塗装・デザイン塗装も商品価値の向上になります。

2-4.機能性価値の向上

太陽光線中の赤外線を反射により大幅に軽減する遮熱塗料、電波障害にも対応できる塗料、外気温を遮断する断熱塗料もあります。

2-5.塗装による表示等

日本では家庭用品品質表示法の適用対象とされており雑貨工業品品質表示規程に定めがあります。

救急車、消防車、パトカーなど、その車輌に適した色に表示して識別しやすくします。
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第三章の規定に基き、道路運送車両の保安基準、細目告示第75条第3号関係、細目告示第153条第3号に定められています。

「屋外消火栓箱」の赤色は、消防法施行規則第22条に定められています。

3.塗料を構成するもの

3-1.結合剤

塗料に固まるという性質を与えているのは、結合剤です。
塗装機能のよしあしに非常に大きくかかわっている成分になります。
この結合剤の種類で柔軟性や気候にどれくらい耐えられるかなどのおおよそのことが決まってしまいます。

結合剤

 

3-2.顔料

色のついた物質のことを総称して顔料といいます。
これにより、塗料の見た目を整える性質が決まります。
塗料のなかから顔料を取り除くと、無色透明塗料となる。
顔料は水に解けない粉末状の物質で、耐候性が高いのが特徴です。
鉱物や金属を主体とした無機顔料と、有機顔料に大別され、有機顔料は発色成分が鮮やかですが、光に弱く値段が高価です。

顔料

 

3-3.添加剤

塗料中の割合は数パーセントと低いですが、塗料の性質に非常に大きな影響を持ち、種類が非常に多いです。
添加剤のひとつである湿潤剤などが入っていると顔料と結合剤のなじみがよくあります。
粘度を上げることによりダレを調整する増粘剤や、水性塗料に存在する防腐剤、安定剤、乾燥剤などの添加剤があります。

添加剤

 

3-4.溶剤

溶剤は樹脂などを溶解して流動性をもたせ軟らかく塗り易くします。 希釈剤ともよばれます。
塗料成分のうち溶剤は6-8割を構成します。
合成樹脂系の塗料では、シンナー、アルコール、エーテル、ケトン、エステルなどの溶剤があり、塗料の種類によって使い分けられています。
水性塗料の溶剤は、水になります。

溶剤

 

4.素材と塗料の乾燥硬化温度と時間-代表値

素材と塗料の乾燥硬化温度と時間-代表値

 

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