2-8.乾湿温度計の原理

乾湿温度計の原理~乾燥の科学

注射をする前にアルコール消毒すると、スーっと冷たい感じがするのは、アルコールが蒸発する時に、熱を奪っていくからです。

液体が気体になるには、エネルギーが必要で、このエネルギーを気化熱といいます。
これを利用して湿度を計れるようにしたものが乾湿計です。

乾湿温度計は、乾球温度・湿球温度の測定により湿度・温度を同時に測定する湿度計です。
一般の温度・湿度環境での測定用で、極端な高温・低温・低湿度・低気圧では誤差が大きくなります。

2個の温度計からなり、一方は水で球部を常に湿らせる、湿球と呼ばれる部分です。
湿球は球部で水が蒸発によって蒸発熱を奪うため、通常もう一方の温度計(乾球)よりも低い温度を示します。
しかし気温が氷点下の場合は湿球が薄い氷の層で覆われるため、乾球よりも高い温度を示すことがあります。

精密測定の場合、相対湿度は乾球温度または湿球温度と乾球・湿球間の温度差と気圧とからスプルンク(Adolf Sprung 1848年 – 1909年)の式で計算します。

スプルンク(Adolf Sprung 1848年 - 1909年)の式

e  :空気中の水蒸気分圧、
esw:湿球温度における飽和水蒸気圧
A=0.000662K-1:乾湿計係数
p  :気圧
Td :乾球温度
Tw :湿球温度

式の補正値は、各通風方式ごとに用意されています。

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