熱放射の波長について

絶対温度が0K(ケルビン)以上の物体は物体の温度に応じた波長を電磁波として放射します。この電磁波を受けた物体は熱を受けたことになります。この熱の移動を熱放射といいます。物体の熱放射は表面温度や表面状態によって大きく変わります
熱放射されるエネルギーはプランクの法則の通り、最大波長を頂点に上に凸になった放物線を描き、短波長から長波長まで幅広く電磁波を放射しています。温度が高くなればなるほど各波長の放射エネルギー密度は高くなります。

熱放射の波長について

上の図は黒体における単位面積・単位波長あたりの放射エネルギー密度 W (λ,T)を下記の式から求めています。

W(λ,T) = 8πhc/λ5/( exp( hc/λkT ) -1)[w/m2] λ:波長[m]h:プランク定数 6.626×10^-34[J・s]c:光速 3×10^8[m/s] k:ボルツマン定数1.3807×10^-23 [J/K] T:黒体温度[K]

熱放射の波長について

熱放射の最大波長は発熱体の温度に反比例します。ヒーターの発熱体温度で考えると、発熱体温度が高ければ近赤外線領域に、高ければ遠赤外線領域に最大波長をもつ電磁波(光)を放射します。この電磁波の内、熱放射はλ0.4μm(可視光)~100μm(遠赤外線)程度の範囲です。

熱放射の最大波長 λmaxT= 2.90×10^-3/T(K) m  ウィーンの変位則

温度Tの黒体の放射エネルギーはステファンボルツマンの法則により下記で表されます。
Eb=σ(ステファンボルツマン定数:5.67×10^-8) ×T(物体温度)^4[W/m2] 放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例するので、対流や熱伝導による加熱と比較しても温度に対し大きく変化します。物体温度が常温程度であれば放射によるエネルギーは無視できますが、放射に高温になればなるほどその差は大きくなり放射による加熱が有利になります。

熱放射の波長について

Eb=5.67×10^-8 ×T^4[W/m2]は周囲が絶対零度(0K)の時の場合に成り立ちます。
この式では周囲温度が0Kで差がないので「物体温度-周囲温度(0K)」となり省略されます。0Kを入れると下記の式になります。
Eb=5.67×10^-8 ×(T(物体の温度)-T(周囲温度(0K))^4)[W/m2] その為、物体温度から周囲温度を減算した数値の4倍が実際のエネルギー放射密度です。

【参照】黒体(こくたい、black body)とは、外部から入射する電磁波を、あらゆる波長にわたって完全に吸収し、また熱放射できる理想的物体です。黒体は実在しませんが、自然科学を説明する上でよく登場する重要なモデルです。

 

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