8. オゾンの濃度と毒性

オゾン殺菌の科学8.オゾンの濃度と毒性

成層圏のオゾン層は濃度は2~8ppmと、地表の0.03ppmと比較すれば非常に高く、有害な紫外線から生物を守っています。

オゾンは通常の大気中では0.005ppm存在し、大気を自浄(殺菌・脱臭・脱色など)しています。日差しの強い海岸などでは0.03~0.06ppm、森林では0.05~0.1ppmの濃度が観測されています。

しかし、オゾンは使い方を間違えると人体に有害なガスとなってしまいます。

オゾンが発生する可能性が有ればたとえ低濃度でも活性炭入りのマスクをつけるべきです。 目の粘膜も保護できる全面マスクがより良いです。 高濃度(10ppm以上)の場合はガスマスクが必須です。

オゾンには急性・慢性双方の中毒性があリます。 急性中毒では目や呼吸器への刺激から始まり、高濃度になるに連れて咳やめまいを引き起こし、さらに高濃度になると呼吸困難や麻痺、それによる昏睡状態になり、放置しておけば死亡します。 慢性中毒では倦怠感や神経過敏など神経の異常や、呼吸器の異常を引き起こします。

ゴムやプラスチックなど、有機高分子をオゾンに暴露すると劣化が起こり、亀裂が生じることがあります。 この現象をオゾンクラッキングと呼びます。

例えば、自動車等のタイヤを保管する際は電気設備の近くを避けるようにという説明がタイヤメーカーからなされていますが、その理由はモーターなどから発生するオゾンがタイヤの主成分である合成ゴムを劣化させるからです。

以下にオゾン濃度と生物への影響の表を示します。

濃度(ppm)と影響
  • 0.01~0.03ppm ほとんど臭いなし、正常値 【自然界の日中の濃度】
  • 0.04ppm さわやかな臭い・オゾン臭有 【海岸・山(晴天・夏2:00pm)】
  • 0.05ppm 生物への何らかの影響あり 【USSR環境基準】
  • 0.06ppm 慢性肺疾病患者への肝機能影響なし 【オキシダント環境基準】
  • 0.08ppm 人体への影響あり(眼痛・頭痛) 【不快基準】
  • 0.1ppm 明らかな臭気があり、鼻や喉に刺激を感ずる 【USA環境基準】
  • 0.2~0.5ppm 3~6時間暴露で視覚を低下する
  • 0.5ppm 明らかに上部気道に刺激を感ずる
  • 0.5~1ppm 呼吸障害・モルモットの寿命短縮
  • 1~2ppm 2時間暴露で疲労感、頭痛、胸部痛、上部気道の渇きとせきが起こり、暴露を繰り返せば慢性中毒にかかる
  • 5~10ppm 脈拍増加、体痛、麻酔症状が現れ、暴露が続けば肺水腫を招く
  • 15~20ppm 肺水腫で死亡の危険、小動物は2時間以内に死亡する
  • 50ppm 人間は1時間で生命が危険な状態になる

★ppmは百万分の1という単位です。

 

ウイルスも人間も皆地球上に暮す生物です。 ウイルスに有害なものは人間にも有害です。 その反対に、人間に有害なものはウイルスにも有害です。

人間は生きた細胞の集団です。60兆個もの細胞でできています。

ウイルスは単細胞なので、一つの細胞が死ねばそれで終わりですが、 人間は毎日約20%(15兆個)が死んで、毎日同じ15兆個を補っています。 早い細胞(腸管粘膜細胞)は1~2日で脱落死亡、長いものは一生生き続けます。(脳細胞は3歳頃まで増殖しその後は全く増えず生き続け10代からは減少するのみ) 人間を支える硬い骨は数ヶ月で全部新しく置き換わるそうです。

オゾンの良いところ、悪いところを理解して、上手にオゾン殺菌をご利用下さい。

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