比例(P)制御

ON-OFF制御は加熱出力(操作量)が0%か100%かの状態で、検出と反応の遅れの影響により制御結果がオーバーシュートして、サイクリングを繰り返します。

ON-OFF制御でサイクリングが避けられないのは、0%と100%の2値動作をするからです。
そこで、ON-OFF制御のサイクリング現象を改善する方法として、操作変数の値を、もっと多くとります。これを多値制御 といいます。

多値制御では、値の数を多くするほど、制御は、よりスムーズになる筈です。
そして、その極限が、操作変数の値を、連続的に変化させることです。
操作変数の値を偏差に比例して、変化させます

操作量を0%と100%の2つの状態だけではなく、比例帯の範囲内の温度変化に応じて、目標値に近づいたら操作量を小さくして温度の急激な変化を抑えます。
0~100%の間を連続的に変化させるように考えられたのが比例制御です。
この方法を取り入れることにより、移動する制御対象でも安定した制御結果を得ることが可能になりました。

比例帯とは図が示すように操作量を0から100%へ段階的に変化させるために必要な制御量(温度や圧力など)の変化する幅のことを言います。

比例(P)制御

例えば、設定値100℃比例幅±10%とすると、90℃~110℃が比例帯になります。
0~90℃→100%ON
91℃→95%0N-5%OFF
92℃→90%0N-10%OFF
93℃→85%0N-15%OFF
94℃→80%0N-20%OFF
95℃→75%0N-25%OFF
96℃→70%0N-30%OFF
97℃→65%0N-35%OFF
98℃→60%0N-40%OFF
99℃→55%0N-45%OFF
100℃→50%0N-50%OFF
101℃→45%0N-55%OFF
102℃→40%0N-60%OFF
103℃→35%0N-65%OFF
104℃→30%0N-70%OFF
105℃→25%0N-75%OFF

106℃→20%0N-80%OFF
107℃→15%0N-75%OFF
108℃→10%0N-90%OFF
109℃→5%0N-95%OFF
110℃→100%OFF

(設定値100℃でON-OFF比が50:50になるのは、そのように設計された装置で、しかも設計意図が実現された良い装置です。 この装置でも、設定値が150℃になれば、ON-OFF比は変わります。)

比例帯が狭く設定されると、制御量のわずかな変化にも操作量が大きく変化してしまいます。したがって操作量の感度は上がりますが、制御結果の安定性は悪くなり、比例帯を極端に狭くすると、ON-OFF制御と同じような制御結果となります。 それとは反対に比例帯を広くした場合は、制御量の変化に対し、操作量の割合は小さくなります。 従って操作量の感度は下がりますが、制御結果の安定性は上がります。 そのため、最適な制御を行うためには、比例帯の幅を調整することが重要です。

例えば、製品精度が±10℃だとすると、設定値を100℃から200℃に変更した場合、比例帯が±10%だとすると、100℃の時は±10℃ですが、200℃になれば±20℃です。正しい設定値は±5%の±10℃に再設定する必要があります。

よく使われる制御方法として、ON-OFF制御と比例制御について取り上げました。
どちらの制御方法を使用するかは、求める制御結果の安定性によって使い分け、あまり制御結果の安定性を求めない場合はON-OFF制御を、より安定した制御結果を求める場合は比例制御を用いることが一般的です。

比例制御によって、定常時のサイクリングは無くなりますが、落ち着いた後に、偏差が残ります。
この定常的な偏差のことをオフセットと言います。
比例制御では、オフセットは避けられない現象です。
オフセットの値は制御対象によって異なります。
オフセットの値が小さくて、許容範囲内であれば、比例制御は、実用になります。

省資源・省エネルギーや品質の均一・向上化のための安定した操作条件が求められているため、ほとんどの装置や工場で比例制御が用いられています。

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