比較的広範囲を加熱する場合や板状の素材を均一加熱する場合は、ドームカバーを使用します。
ドームカバーに耐久性が必要な場合、弊社の集光鏡をドームカバーとして使用することもできます。
照射孔から照射された光エネルギーは加熱対象物に照射され一部が吸収されます。
一般的に反射率の高い素材は光エネルギーを反射して高温にはなりませんが、
ドーム加熱の場合、反射された光エネルギーは内部で光速のスピードで何回も再反射加熱を繰り返します。
再反射加熱を繰り返して赤外線エネルギーはほとんど吸収されます。
繰り返しの乱反射により、内部はかなり高温に加熱されます。
最終的に、加熱対象物の赤外線吸収率が低くても、良好な加熱ができます。
ドームの中に不活性ガスを充填すると、非酸化加熱を行うことが出来ます。
この加熱方法はインデックステーブルなどの間欠動作をする搬送装置では特に有効です。
上昇気流による悪影響の防止
開放加熱は、加熱対象物の周囲に有る空気も加熱されて熱膨張し軽くなるので、上昇気流が発生します。
上昇気流により希薄化して低圧になった空間に、常温常圧の空気が流れ込みます。
この流れ込む空気は、加熱対象物に接触して冷却しますので加熱作業には良くありません。
ドーム加熱に冷却空気の気流は発生しないので、効果的な加熱環境を作ります。
開放照射と集光鏡を使用したドーム加熱の比較