5-2.赤外線乾燥の熱収支式

赤外線乾燥の熱収支式-赤外線乾燥~輻射伝熱乾燥はどう進むか

電源から供給された電気エネルギー(電力)は、発熱体から電磁波となって飛び出します。
電磁波には各種の波長が存在しますが、加熱に一番有効なのは赤外線です。
高熱側(ヒーター)から輻射された電磁波を低熱側(加熱対象物)が吸収することが赤外線加熱です。

5-2-1.ヒーターの効率Heは下の式で求められます。

He = ( R + A + T) / P

書き換えると

He = ( P - Hl) / P

He:ヒーターの効率
Hl:ヒーターの放熱ロス
R  :反射率
A  :吸収率
T  :透過率
P  :電力

ハロゲンヒーターのHeは約85%で各種のヒーターの中で一番の効率を誇っています。

5-2-2.加熱対象物の加熱効率Oeは下の式で求められます。

Oe = A - Ol

Oe:加熱対象物の加熱効率
A :吸収率
Ol:加熱対象物からの放熱ロス

※各物質の赤外線吸収率は「遠赤外線の科学 – 6.遠赤外線の吸収率」をご参照ください。

5-2-3.加熱に必要な熱量Jは以下の式で求められます。

J = Ow x cv x Ot

Ow:加熱対象物の質量
cv:加熱対象物の定積比熱
Ot:上昇温度幅

※各物質の比熱は「遠赤外線の科学 – 10.主要材料の比重・比熱・熱伝導」をご参照ください。

5-2-4.赤外線加熱に必要な電力Phは以下の式で求められます。

Ph = J/ ( He x Oe ) / ( P x Ar)

Ar:有効照射面積比

ヒーターの照射面積に比べ加熱対象物が大きいときはArは100%です。

ヒーターの照射面積に比べ加熱対象物が大きいときはArは100%です。

ヒーターの照射面積に比べ加熱対象物が小さい上の写真ではArは約40%です。

ヒーターの照射面積に比べ加熱対象物が小さい上の写真ではArは約40%です。

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