ハロゲンポイントヒーターの焦点距離と焦点径

ハロゲンポイントヒーターの集光径との関係

まず始めに用語の定義をします。

焦点距離 :集光鏡端部から加熱対象物までの距離
焦点径  :焦点距離の中心の最高温度を100%とし、100%から80%の温度の範囲
焦光径  :任意の距離での中心の温度を100%とし、100%から80%の温度の範囲

集光鏡の定格値の「焦点距離」とは「焦点径」が最高温度に達する距離です。

 

(1)焦点径と電力(W)の関係

電力(W)が大きいほど焦点径も大きくなります。
同じ焦点距離で電圧が同じ場合は電力(W)が変化しても出力密度は変化しません。
電力(W)が大きくなれば焦点径も大きくなり、電力(W)が小さくなれば焦点径も小さくなります。

(2)焦点径と発熱フィラメントの関係

焦点径は発熱体以下にはなりません。 発熱フィラメントの立体像の断面が焦点径の最小サイズです。

(3)焦点径と焦点距離の関係

定格の焦点径から上下すれば集光径を大きく広範囲に加熱できます。(アウトフォーカス)
焦点径が同じでも焦点距離が短いほど高い出力密度で照射でき、ランプの性能を活かした高温加熱ができます。
※集光鏡の特注品を専用設計後に製作する事もできますが、価格と納期の観点から、
標準品を焦点位置からずらす方法を検討することをお勧めします。

(4)集光径と集光鏡の開口径の関係

集光鏡の直径が大きいほど小さく絞り込め、高温が得られます。
ただし最小サイズはフィラメント径まで。

以下はHPH-18/f9/12v-40w(焦点距離定格9mm、電圧4V・電力5A)で、焦点距離を変えて照射した写真です。
HPH-18の最も小さく集光したときの径は、図面上には約φ2.5と記載していますが実際には少し小さめです。

ハロゲンポイントヒーターの焦点距離と焦点径

(図1)f=9.0の機種を4.5㎜の距離で照射
ほぼ均等な分布で焦点径が定格より大きくなっている

(図2) f=9.0の機種を9.0㎜の距離で照射
焦点距離が定位置なので焦点径(光束)が最も効率的な状態。焦点が最高温度になる。

(図3) f=9.0の機種を13.5㎜の距離で照射
焦点径が大きくなっているが中央部がやや強い

(図4) f=9.0の機種を18.0㎜の距離で照射
焦点径が大きくなり、ほぼ均等に照射できている。

ランプの性能を最大限に活用し高温加熱を成功させるには、「再反射加熱法」を採用してください。

 

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